あんがーの樹

環境系大学院修了⇨法人営業⇨青年海外協力隊。平成元年生のアラサーが綴る。

パラオの動物に恵まれたフィールドデイ

僕が活動しているEbiil societyでは毎週木曜をフィールドデイに定めていて、野外で活動することにしています。

最近はもっぱら近くの島に船で行って、外来種駆除をすることが多いのですが、今週のフィールドデイは動物との出会いに恵まれ楽しい日になりました。

パラオの動物① クロガシラウミヘビ

この日は天気も良く、気持ちいけれど日差しが強そうです。

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一面外来種に覆われています。
こちらが外来種のつる性植物。名前は知らない。。。
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アカシア。やわらかいので手で除去できることも。
このツルとアカシアがパラオで重大な外来種問題となっており、この小さな島でも外来種の拡大がみられます。

いつも通りにフィールドにつくと、メンバーか「あ、ヘビ」と冷静な一言。

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クロガシラウミヘビ。触るな危険。
猛毒のクロガシラウミヘビです。この島で見るのは2回目。

今回は一眼を持ってたので取らせてもらいましたが、フォーカスが合う前に隠れてしまった~~

ちなみに切り株の中に別の個体もいて、こいつはさっきのより相当でかい。

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写真じゃわからないけど引くほど太い
2m近い個体なんじゃないかという感じでした。

一つ目の奇跡。母ガメの救出(アオウミガメ)

外来種除去をしていると、しばらく姿が見えなかった代表から「母ガメが上陸した跡を見つけたんだけど、卵の場所がわからないの。一緒に探してくれない?」とのこと。

砂浜に行くと、しっかりと母ガメの足跡が残っていました。

「今朝上陸したのよ。どこかに卵を産んでるはず」と代表。

その後、普通の人なら気づかないような足跡や這った際に残る砂などの頼りに母ガメの足取りを追います。すごい、代表。。。

卵を産む穴を掘るため、何度も挑戦した跡があるものの、どれも木の根が多すぎたり、石が多すぎて成功していませんでした。

やがて痕跡は海のほうに戻り始めます。

「ん~~ここからわからないわ。やっぱり場所がなくて海にもどたのかねぇ。。。」と悲しそうな代表。

僕も心ばかり彼女の気配を探していきます。すると。。。。




え、、、僕らのわずか5mほど先に、巨大なウミガメの姿が!!!


「ちょ、彼女だ!母ガメがいるよ!!!」

叫びましたww それに気づいた代表は半ば発狂。

「OOOhhhhh My Goooosh!!!!! WHAAAAT Happen!!???」

ほとんど泣きそうです。。。。

でも、力なく横たわる後ろ姿は確かに死んでいるかもと思いました。

近づいてみると、なんと外来種のつる植物に絡まって身動きが取れなくなっています。

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外来種のツルに絡まった母ガメ
すぐにツルを外し、母ガメを解放。

代表は砂場に運んで産卵の続きをさせようと言いましたが、重すぎるしめちゃめちゃ暴れるので断念。そもそもこの状況で産卵などしないと思うけどww

海に帰る母ガメに対し、「待って!!まだ赤ちゃん生んでないでしょ!産まなきゃだめよ!待って!!」と叫ぶ代表。

たぶん、代表は動物も話せばわかると信じるムツゴロウ系女子なんだと思います(笑)

「きっと産卵をコントロールして、今晩またやってくるよ」と話すと、

「私は女性で子供も産んでるのよ!あなたに何がわかるの!!コントロールなんてできないわ!!」

たしかにww僕には一生かけても理解できませんねwwww

パラオの動物③パラワンメガポード

お昼は自分たちで持ち寄ったお弁当。今日はボートのドライバーが釣ってきてくれた新鮮な魚の丸焼きもいただきました。

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これぞ丸焼き
お昼を食べてフラフラしていると、ニワトリより一回り小さい鳥の姿が。
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パラワンメガポード。ピンボケ~~
パラワンメガポード。現地名でベカイです。

メガポードとは日本語でツカツクリという鳥の仲間で、自分で抱卵せず、落ち葉などをかき集めて、その発酵熱で卵を孵化させます。

その巣は高さ2mになることもあるほど。

貴重な鳥で僕らも重要な保護対象にしています。

最後の軌跡 子ガメの誕生

仕事も終わりかけ、一日中ツルを切ったり根っこを掘ったりしているので体はヘトヘトです。

そのとき、また代表の叫び声w

「ターートル!!ターーーーーートーール!!!」


またカメ??と思って見に行くと、なんと子ガメが孵化して海に向かっている!!

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続々と出てきます。その数およそ40匹

すげぇぇ!!通常は暗い夜に行われる孵化が夕方に起きるなんて!!

たぶん夜のうちに孵化しきれなかった子たちが遅れて出てきたんでしょう。

本能で海に向かい、6センチくらいの小さな体でぴょこぴょこ走っていきます。

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子ガメ
そのかわいさと言ったら。。。。。
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一直線に海へ
産まれたばかりの子ガメはフリンジーという興奮状態にあり、このまま外敵の少ない外洋まで泳いでいきます。

しかし、その距離は半端ではなく、船でもなん十分かかるんだろうっていう感じ。

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大いなる旅の始まりです
無事に大人になれるのは1000匹に一匹と言われるほど厳しい世界。
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砂の中で息絶えた個体。。。
事実、砂から這い出せずに死んでしまった子もいました。

動画を撮りながら、思わず「がんばれよ~~」とつぶやいてしまった(笑)

頑張って大きくなってほしいですね。
自分も頑張らねば。。。

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海きれいだった。。。