あんがーの樹

環境系大学院修了⇨法人営業⇨青年海外協力隊。平成元年生のアラサーが綴る。

JOCV環境教育隊員としてパラオで行うミッション

協力隊の中で、十分な結果を残す活動ができる隊員はほんの一握りと言われています。

よく聞くのは「最初の1年はまるで何もできなかった」「やっと方針が見えたときには任期終了で帰国しなければいけなかった」という意見。

協力隊の活動は文化の壁、言葉の壁を越え、信頼関係を築いて行う必要があるため、すんなり活動を始めることができないのです。

実際、僕たち協力隊は具体的な活動方針を決める期間として半年間の猶予をもらっています。

派遣されてから半年後に、残り1年半の活動計画をJICAに提出するんです。それだけ、関係構築に時間がかかることをJICAも認めているんですね。

しかし、自分の場合、所属先のJICAに対する期待が非常に高く、代表の意識も非常に高かったため、今後の活動方針が4日目にしてググっと明確になりました。

この通りに行くかはわかりませんが、とりあえずよかったなと思ってますw

木曜日はフィールドワークデー!

派遣されて3日間はオフィスの中でマニュアルを読む生活でしたが、毎週木曜日はフィールドに出る日と決まっています。

僕が派遣されているEbiil Societyは環境系NGOとして環境教育、青少年教育に力を入れている団体(といっても5人)。
www.ebiilsociety.org

この日は植林授業のために使う苗を育てるため、樹木の種や実生(生え始めの小さい木)を採取しにフィールドへ出ました。

f:id:ang-kk-john:20190823092504j:plain
お目当ての樹種を探してフィールドを歩く
まだまだこちらの木のことはよくわかりませんが、先輩スタッフに聞きながらとりあえずパラオ語で樹の名前を教わりながら採取。
f:id:ang-kk-john:20190823133443j:plain
ティティムルの若木。実は甘くてよくジュースにする。
f:id:ang-kk-john:20190823092442j:plain
Kisaks(Milletia pinnata)の実生
f:id:ang-kk-john:20190823092421j:plain
こんな風に扱っても大丈夫なほど生命力が強い
施設に帰ったら、持ち帰った実生をポッドに詰め、ハウスで育成します。
f:id:ang-kk-john:20190823092432j:plain
土には自家製コンポストを使用

突然の緊張とすぐに決まったミッション

お昼休みに一緒にご飯を食べていると、突然代表からひと言。

「この育成ハウスについて、どう思う?」

自分には苗の育成経験はなかったため、そう伝えると、

「じゃあ植林の経験は??」

これもない。。。

「じゃああなたの経験はいったい何なの??」

突然の質問、しかも唐突に、結構な勢いでの問いかけにものすごく緊張が走りました。

ここ数日の就業で、この人たちがかなり高い意識と研究機関としての活動も担っている団体だと感じており、自分に何ができるのかと不安になっていた矢先のこと。。。

ここで何もないとは言えない。。。。

焦りながらも、とりあえず大学でやっていた毎木調査の話をしました。

「それが何の役に立つの?」という質問にまた戸惑ったけど、「森林の移り変わりを認識するには長い期間が必要だからさ!」って言った(気がする(笑))

でもそれが意外と好反応。「じゃあ長期モニタリングするためのプロット設定と観察方法の指導できる??」と言われて、

なんとなく想像できたというだけで「うん!できるよ!」と言ってしまった。。。

「ついでにフェノロジー(花が咲いたり実がついたりすること)も調査したい。その時にどんな動物がいるかとかも!」となり、

「動物はわかんないけどフェノロジーなら。。。」

あああああああ!!また見切り発車してしまったぁぁぁあああああ!!!
このあと少し標本なんかの話もして、同定(植物を見分けて種類を判定すること)ために標本は必要だけど、保存できる倉庫もないし子供たちに室内での標本観察はさせたくないの、

ということで、フィールドで使えて同定にも役立つ写真データをまとめることに。

パラオにおける僕の4つのミッション

こんな流れで僕のミッションは以下の通りとなりました。

① Ngarkeklau島における毎木調査プロットの設定
② 毎木・フェノロジー調査の方法のマニュアル化
③ スタッフへのトレーニン
④ ガラロン周辺に生える植物の同定資料作成

うん、これ中途半端にはできない。特にプロットの設定とか、知らないこともたぶんある。。。

というわけで、大学の知り合いやらなんやらのお力添えを乞いながらやっていこうと思います。

しかし、次の火曜日にはもうプロット設定の予定地に行くことになった。プロット作れとか言われたらどうしよう。

不安とやる気が入り混じる。


でも、こんなことしたい、子供たちにこんな経験させたいって言ってる代表の笑顔はすごく輝いていた。